| 「エクスクルーシブ」って何ですか? |
「エクスクルーシブ」・・・正確には「システム・エクスクルーシブ・メッセージ」と言いますが、音源固有の音色や各種設定データなどを、MIDIケーブルを介してやり取りするのに用いられるものです。
●エクスクルーシブとはGS音源で例をあげると、
マスターボリュームのレベル
リバーブのオン/オフやタイプの選択
パーシャルリザーブ(ボイスリザーブ)
などが、このエクスクルーシブを使ってコントロールされます。
しかし、あくまでも音源固有のメッセージですので、ターゲットになる音源(上記の例ではGS音源)以外の音源が受信しても無視されてしまいます。
●エクスクルーシブのデータ形式
演奏情報とは異なり、一部のMIDI機器間のみでやり取りできる情報がエクスクルーシブなのです。実際のデータ形式は「今からエクスクルーシブを送る」という
「エクスクルーシブ・ステータス」に始まり、「このメッセージはローランドのSC−88用」といったような意味の「メーカーID」「デバイスID」「モデルID」、そしてメッセージの役割を伝える「コマンドID」が続きます。そしてそのあとに、メッセージの具体的なデータ内容を送り、データを送り終わった時点で、そのデータが正しいかどうか確かめる「チェックサム」と「以上でエクスクルーシブは終わり」という意味の「エンド・オブ・エクスクルーシブ」で締めくくられます。ここからは、レコンポーザでのエクスクルーシブ書式例を挙げながらご説明します。
GS MASTER VOLUME F0 41 10 42 12 cs 40 00 04 ve ss F7 GS MASTER KEY-SHIFT F0 41 10 42 12 cs 40 00 05 ve ss F7 GS MASTER PAN F0 41 10 42 12 cs 40 00 06 ve ss F7 GS SYSTEM RESET F0 41 10 42 12 cs 40 00 7F 00 ss F7 (レコンポーザでのユーザーエクスクルーシブ/トラックエクスクルーシブのウィンドウでは「F0」の表記は省略されていますが、ここではご説明のために書き加えています)
上記のデータをよく見てみると、一定の規則性を持っている部分と持っていない部分があるのに気がつくと思います。
規則性を持った部分は、先頭からの、「F0 41 10 42 12」の部分です。まず、この部分について、見て行くことにいたしましょう。
1.「F0」 …エクスクルーシブ・ステータス
これが「今からエクスクルーシブを送る」という「エクスクルーシブ・ステータス」と呼ばれるものです。これは必ず先頭にあります。あまり難しく考えずに「貨物列車の機関車みたいなもの」と考えてください。
2.「41」 …メーカーID
次の「41」。これが「このメッセージはローランドの音源行き」といったような意味を持つ「メーカーID」です。
3.「10」 …デバイスID
3番目の「10」。これは「デバイスID」と呼ばれています。全く同じ機種の音源モジュールを何台もつないだ時に、音源側で「デバイス(ユニット)ナンバー」をそれぞれ変えてやると、デバイスIDで指定したナンバーと一致した音源だけがエクスクルーシブを受信します。ちなみにこの「10」という値はSC−88等のGS音源の初期設定に併せてあります。
4.「42」 …モデルID
4番目の「42」。これが「このメッセージはGS音源行き」という意味の「モデルID」です。この「42」という値が「GS音源」を表わします。
5.「12」 …コマンドID
そして、5番目の「12」がメッセージの役割を伝える「コマンドID」です。エクスクルーシブには様々な役割があり、この「12」という値は「このメッセージはデータを送るためのものです」と宣言するものです。
ここまでを整理してみます。
| GS MASTER VOLUMEのエクスクルーシブ書式: F0 41 10 42 12 cs 40 00 04 ve ss F7 |

「このメッセージはローランドのGS音源へデータを送るものです」という意味あいの「エクスクルーシブの行き先を示す情報」ということになります。つまり、「貨物列車の行き先表示板」のようなものなのです。
例として挙げたユーザーエクスクルーシブ・データは、すべてSC−88等のGS音源用のデータなので、この部分はすべて共通している、というわけです。さて、ここから先が、「貨物列車の積荷」にあたる具体的なデータ部分になります。
「GS MASTER VOLUME」を見てみましょう。これはGS音源のマスターボリュームをコントロールするエクスクルーシブ・データです。
GS MASTER VOLUMEのエクスクルーシブ書式:
F0 41 10 42 12 cs 40 00 04 ve ss F7
6.「cs」CLEAR CHECK SUM と 「ss」SEND CHECK SUM
「コマンドID(この場合は12)」の次にある「cs」が「CLEAR CHECK SUM」。そして最後から2つめにある「ss」が「SEND CHECK SUM」というデータです。これらはエクスクルーシブ・データの内容が正しいものかどうかを判別するために必要なデータです。
「チェックサム」とは「送られたエクスクルーシブ・データが正しい値かどうか」を確認するためのもので、ローランド社のエクスクルーシブの場合、「送信するパラメータのアドレスやデータ、そしてチェックサム自身を全て加算し、その結果の下位7ビットが0になる」値を設定、入力します。
この値を導き出すためには、2進/10進/16進数の換算や計算をする必要があります。
しかし、この「cs」と「ss」を入力することによって、面倒な「チェックサム」の計算はレコンポーザが代わりに行い、その結果を送信してくれる、というわけです。
「cs」は、先ほど「送信するパラメータのアドレスやデータ、そしてチェックサム自身を全て加算し・・・」とご説明いたしましたが、「どこからがそれに該当するか」という区切りをつけるために入力します。
さもないと、先頭のメーカーIDから全ての値を計算してしまいますので、いったん「コマンドID」の次でチェックサム計算のためのカウントをクリアさせる必要があるのです。そして、もう一度「cs」の次からレコンポーザにチェックサム計算をさせ、「ss」でその結果を送信します。

データに可変値がある場合(後述の「ve」などがある場合)は、当然チェックサムの値も変わりますので、「cs」と「ss」はとても便利です。
「cs」と「ss」に挟まれた部分が、エクスクルーシブの具体的なデータ部分になります。
この例では「cs」と「ss」の間は、順に「40 00 04 ve」となっています。
7.「40 00 04」 …パラメータ・アドレス
GS音源のマニュアル巻末に載っている、「MIDIインプリメンテーション」を見てみましょう。
「パラメーター・アドレス・マップ」の「SYSTEM PARAMETERS」の箇所に「MASTER VOLUME」の項目があります。
その左端の「Address(H)」の欄に「40 00 04」と書いてあります。例でも「cs」に続いてこれらの値が入力されています。
これが「パラメータ・アドレス」です。この値を入力することによって、エクスクルーシブ・メッセージの具体的な意味(ここではGS音源のマスターボリューム・コントロール)が決まります。
8.「ve」
この例は「マスターボリューム」についてのエクスクルーシブですから、ここには実際のGS音源用マスターボリューム値が入ることになります。 MIDIインプリメンテーションの「Data(H)」の欄に書いてあるのが、実際に入力できる値(0〜128)を16進数(00〜7F)で表したものです。
もし「ve」の代わりに「00」を入力すると、このエクスクルーシブデータは「GS音源のマスターボリュームを0にしなさい」という意味になります。
ここでなぜ「ve」という形のデータが入っているかというと、ユーザーエクスクルーシブをスペシャルコントローラとしてトラックデータ内に入力してから、トラックデータの「VEL」の位置に実際のGS音源のマスターボリューム値を入力できるようにしてあるのです。マスターボリュームのように、実際の値が変化する場合はこの方が使い回しがききます。
ところで、例として挙げたデータの中では、「GS SYSTEM RESET」だけ「ve」ではなく「00」が入力されていますが、これは「GS音源をリセットしなさい」という「変化幅を持たない絶対命令」だからです。 MIDIインプリメンテーションではアドレス「40 00 7F」に続いて、データが「00」の1種類しかないことからもご理解いただけるでしょう。
GS SYSTEM RESETのエクスクルーシブ書式: |
データ部分が終わると前述の「ss」です。送られたエクスクルーシブが正しいデータかどうかを確認する重要なものです。
9.「F7」エンド・オブ・エクスクルーシブ
一番最後にある「F7」が、「以上でエクスクルーシブの送信は終わり」と宣言する「END OF EXCLUSIVE」です。エクスクルーシブの最後に必ず必要なものです。
データ部分を整理しますと、次のようになります。

《サポート係から、おことわりとお願い》 |
エクスクルーシブ・メッセージはメーカーや音源固有の仕様であり、また多種多様な構造をしているため、そのデータ形式や内容の詳細について弊社へお問い合わせいただきましてもお応えできかねます。 |
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