音の流れを交通整理って、何のこと?

 まず、今ご使用のシステムについて、ご質問させてください。

 ● システムから鳴る音はすべて、同じモニタースピーカー(ヘッドフォン)から聴けますか
  → 音楽ソースによって、別のスピーカーから鳴ったり、ヘッドフォンを差し替えて聴いたり
    していませんか
 ● 1つの音楽ソースの音量を変えると、他の音量も変化してしまいませんか
  → 逆に、全体の音量を変えるために、複数のツマミを調整しなければならないように
    なっていませんか

 もしも、これらに「心当たり」があるようでしたら、あなたのシステムは、音まわりの接続に、「不都合」のある可能性が大です。

 
 ● オーディオ・ミキサーを使いましょう
 

 「知ってるよ。タスクトレイのスピーカーのアイコンをクリックしたときに表示されるやつでしょう。
  あれを使えば出来るじゃない」

 えぇ〜!!、そっ、それは「とんでもない」ものを使ってますよ!

 「スタートボタン」の反対側にある「タスクトレイ」。これの中にある、「スピーカーの形をしたアイコン」をダブルクリックしたときに開く、「ボリューム コントロール」と表示されたウインドウは、
 ● CD-ROMドライブで、オーディオCDをプレイさせたときの音声
 ● WAVファイルを再生(ソフト音源を演奏)したときの音声
 ● サウンド・ボードに搭載された音源を鳴らしたときの音声
 ● 外部入力(サウンド・ボードのライン・イン)端子に入力した音声
 ● マイク入力
などの音声を、それぞれ独立して、音量調節したり、ステレオ定位を調節できて、
 ● これらをミックスした全体の音量調節とステレオ定位もコントロールできる
「すぐれもの」ではあります。

 でも、でもですよ、ちょっと考えてみてください。これらの音声信号は、どこを通っているのでしょう。
 そうです! 「デジタル・ノイズ」が、嵐のように吹き荒れている、パソコンの内部で、取り扱われているのですよ。

 試しに、何も音を鳴らしていない状態で、ウインドウにある音量のスライダーを最大に上げて、スピーカーから出る音を聞いてみてください。きっと、「たまらないほど」の雑音が聞こえるはずです。
 (周囲がウルサイ場合は、耳を近づければ、よく聞き取れます)
 音量のスライダーを全部、最小にしても、まだ、聞こえますよね。

 音楽制作シーンに、大革命とも言えるほど、有用な働きをしてくれるパソコンは、同時に、その一方で、音楽にとっての大敵である、雑音の大量発生装置でもあるのです。

 もしも、かなたが、「空いている外部入力端子を活用しよう」と考えて、MIDI音源の音声出力もパソコンに接続して、この中にミックスしていたら…。
 まあ、何て恐ろしい。その結果は…、もうお分かりですよね。


 「自分は、そんなもの、知らなかった。マニュアルに書いてあったとおり、音源の出力端子から
 モニター・スピーカーにつないで使っている」

 う〜む、それはそれで、「正解」なのですが、この接続では、パソコンから出る音声は、用意されたそのスピーカーからは鳴りませんよね。
 モニター・スピーカーが、とっても高性能なものだったとしても、そこから出てくる音は、MIDI音源の音だけになってしまいます。

 ● パソコンが発生するノイズから、大切な音楽信号を絶縁して、高い音質を保つために
 ● さまざまな音楽ソースを、独立して、同時に集中的にコントロールできるようにするために
 ● 用意されたモニター用のスピーカーやヘッドフォンを、有効活用するために
 ● 制作した音楽作品を録音するときの、効率的なマスタリングを実現するために

 最初は、「簡単なもの」でもかまいません。是非、オーディオ・ミキサーを1台、ご用意されることをお勧めします。

 
 ● 再度ご提案!オーディオ・ミキサーを使いましょう
 

 「でも、いっぱい種類があるみたいだし…、どんなものを使うのがいいのかな?」

 確かに、一口で「オーディオ・ミキサー」といっても、さまざまなものがあります。
 導入を検討する前に、知っておかれると役に立つと思われる「基礎知識」をご紹介しておきましょう。

 ● 基本的な機能
 読んで字のごとしで、複数の音声(オーディオ)信号を入力してミックスし、(基本的には)1つの音声信号として出力するものです。

 ● モノラルかステレオか
 基本的な機種やスタジオで使われるプロ仕様のものでは、モノラル入力された各信号を、その音量とステレオ定位(左右の、どの位置で鳴っているように聞こえるかを決めることを言います。「パンポット」とか、簡単に「パン」と呼ばれます)とを調整したものをミックスして、ステレオ出力するものが中心ですが、最近は、音弦自体がステレオで出力するのが当たり前になったことに対応した、ステレオ入力した左右の信号の音量だけを調節するようにしたものが便利に使える場合も多くて、実際に広く使われています。

 ● チャンネル数
 入力する1つの系統のことを、「チャンネル」と呼びます。ですから、「16チャンネル」のミキサーでは、16系統の入力端子を装備していることを意味することになります。
 ただし、先にご説明したような、ステレオ入力に対応した機種の場合には、1つの入力が左右2つの系統を持つことになりますので、5つのステレオ入力を装備したものを、「10チャンネル 5ステレオ入力」と呼ぶことがあるようです。

 ● 形状
 ミキサーの機能には直接関係しないことですが、大きく分類すると、ボリューム・スライダーが操作しやすくて、その状態が確認しやすい、「平置き型(?)」のものと、ボリュームにも、回すタイプのツマミを使うことで、縦置きや横置きを可能にした、「前面操作型(?)」の2種類があります。
 一般的には、マスタリングの作業中など、頻繁にボリュームを調整するような使いかたには、スライダー式のものが操作性に優れている分、有利になりますが、それだけの設置スペースが必要になることと、操作がしやすい場所に置かなければいけなくなるため、設置場所が制限されてしまうことに注意してください。
 一方、一度、各チャンネルのバランスを調整すれば、その後はあまり操作することがないような用途なら、ツマミ式のものでも、操作性が問題になることが少ないでしょうし、比較的に設置スペースが少なく、設置場所の選択にも自由度が高くなりますので、使い勝手がよいと考えられます。

 ● アナログかデジタルか
 最近の急激なデジタル技術の発達のおかげで、プロ・ユースの高級機に限らず、アマチュアでも手が出るような価格帯で、デジタル処理方式のモデルが発表され出しました。
 アナログに比べ、デジタル処理では、高い音質を確保しやすくなる(劣化がない)ことに加えて、ノイズが混入しなくなることや、隣接するチャンネルの音が紛れ込んだりすることもなくなりますので、たくさんの系統の信号を、1つの機器で取り扱うことになるミキサーにとっては、特に有効な方式だと言えるでしょう。
 最近のMIDI音源では、デジタル出力を装備したものが提供され出しています。もしも、録音用に、デジタル入力付きのMDデッキを使うとすれば、MIDI音源からミキサーへ、ミキサーからMDデッキへの、すべての音の流れを、デジタルのままに取り扱うことまで可能な時代になってきています。

 だいだい分かってきたぞ!
 でも、具体的には、どんな製品があるんだろう?

 

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