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制作者から・・・DTM愛好家の皆さんへ・・・

レコンポーザ・ユーザーをはじめ、DTM愛好家の皆さん。
私も「レコンポーザ」と出会った7年前から、ずっとMIDIデータ制作に、のめり込んできた者の一人です。
その私が、生楽器である「アルト・リコーダー」のための曲集を作るに至った経緯をご紹介しましょう。

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電子(MIDI)楽器を使った音楽制作をしていると、無性に「生音への飢え」を感じることがあります。
私の場合、もとはピアノや弦楽器(ビオラ)を演奏したり、混声合唱をやっていたりしたこともありましたので、MIDI制作にのめり込んで3年ぐらい経ったころ、「生音への飢え」がどうしても押さえられないものになりました。

それで、「気軽に生音で音楽演奏を楽しめる楽器」として、アルト・リコーダーを買ってきたのです。むろん、そのときはプラスチック製の安物でした。
私の場合、高校時代に友人の一人が、リコーダーでバロック曲を吹いて楽しんでいるのを見たことがあったので、小学生時代にも習った「リコーダー」が、わりと素直に頭に浮かんだのです。

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楽器の次は楽譜探しです。リコーダー曲の譜面というのは、楽器店・楽譜店に行くと、意外とたくさんありました。その中から、テレマンやヘンデルなど、大作曲家のオリジナル作品が多く収録された教則本を買ってきて、一人で家や公園で吹いていました。

さすがは大作曲家たちのオリジナル作品(最初からリコーダーのために作られた作品)です。
なかなか楽しい。
しかし、一人で吹くのでは、単旋律だけですから、どうにも渋くて、寂しいのは否めません。
本当は伴奏がついている曲のはずなのに、伴奏がないから寂しいのです。
ハープシコード(チェンバロ)で私のために伴奏してくださる人なんて、いるはずもありません。
そこで、その寂しさを補うために、教則本には「リコーダーの二重奏」がよく載っているのですが、これとて、いっしょに演奏してくれるような相手が身近にいませんでした。

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また、おおぜいの人で「リコーダーの合奏」をやっているグループ・団体が、たくさんあるのも知りましたが、合奏団の一員となってやるというのは、自分にはピンと来ませんでした。
きっと、それもやれば楽しいだろうけど、そこまでする時間的余裕や精神的余裕がない…。
私の場合は、「ふと気が向いたときに、リコーダーをさっと取り出して、20分か30分、気分よく演奏する」というのが、やりたかったのです。

それで、しかたなく、ときどき昂じる生音への飢えを、アルト・リコーダーを「ちょっと寂しいなぁ」と思いながらも一人で演奏してまぎらわす、という日々が続いていました。

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そうするうちに、一つの出会いがありました。実は私は、MIDIでクラシックのピアノ曲を演奏するというのを自分のテーマとして取り組んでいるのですが、私の演奏を聴いてくださったあるフルート奏者のかたが、「ハープシコード(チェンバロ)伴奏をMIDIで作ってくれないか」とおっしゃるのです。曲目はバッハやヘンデルなど。
やってみると、何しろMIDIですから、練習用にいろんなテンポの伴奏を用意したり、部分的練習のための部分伴奏を用意するなども思いのままです。

それで、そんな仕事を少しやっているうちに、「それなら、自分のために。そして、これからリコーダーをやってみたいという人のために、いい曲目を用意し、いい伴奏を作って、楽しく練習できる曲集を作れるのではないか」と思いついたのです。
そう思ったのが、平成12年の春でした。

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それ以来、少しずつ初歩のための練習曲を書き溜めたり、その伴奏を作ったり、楽譜を作ったり、他の作曲家のかたに作品を委嘱してその打ち合わせをしたり…、という準備を進めてきました。
そして、着想から1年、今回、ようやく第一作の完成を見たわけです。

曲集作りを進めるかたわら、作った曲を伴奏つきで自分で練習したり、作曲家に委嘱して書いてもらった新作曲の伴奏を作って、それに合わせて練習したり、自分でたっぷり楽しみました。
木製のリコーダーも入手し、プラスチック楽器とは一味もふた味もちがう、そのやわらかに澄んだ音色に魅了されたりもしました。

そう、生楽器の音色の魅力。微妙な表現ニュアンスを自分の体で工夫できるという魅力。
これはやはり、生の旋律楽器を演奏することでしか得られない快感です。
「楽器をやったことがある人のMIDIデータはひと味違う」ということがよく言われますが、それも、この音楽の根源的な快感を体験してきた人かそうでないかが、作るデータにも、微妙な違いになって出てくるのではないでしょうか。

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そういうわけで、私は、この曲集を、すべてのDTM愛好家の皆さんにも捧げたいのです。
伴奏つきだから、一人で演奏しても楽しい。
初心者のかたにも十分な配慮をしましたので、今までアルト・リコーダーを吹いたことがないかたでも大丈夫。
パソコンに向かってのデータ制作や、お仕事で疲れたときに、ちょっと一息入れて、1、2曲演奏すれば、音楽演奏の楽しさが、何よりの気分転換になります。

こんなに手軽、簡単に「本物の生楽器の演奏」が楽しめるのは、アルト・リコーダーだけ。
そして、『リコーダーソロイスト』は、きっとそのために、お役に立てます。

平成13年5月
リコーダーソロイスト 著者:石田 誠司

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