「やまなし12月」で、第13回「ローランド・デスクトップミュージック 力作コンテスト」の「社会人部門グランプリ」を受賞された江頭智子さんから、コメントをいただきました。

   
いつもレコンポーザを作品創りに愛用させていただいています。
今回、初めて力作コンテストに応募し、このような大きな賞をいただき、本当にうれしく思っております。

受賞曲「やまなし12月」の制作エピソードや、曲の聴かせどころ

この受賞曲は、宮沢賢治の作品「やまなし 12月」のイメージ音楽です。
この作品は、私が小学校の国語の教科書で始めて出会ったもので、大人になってからもずっと心の奥に大切に温めていた世界です。この作品の根底に流れる美しい世界を、いつか音楽にしたいとずっと思っていました。

実は、「やまなし」には「12月」の前に「5月」があります。
「5月」の方を先に制作し、すぐに「12月」に取り掛かったのですが、なかなか進まずとても苦労しました。
そのため、苦労した「12月」の方を、コンテストに応募することにしました。

凛とはりつめた空気の冷たさ、月光に照らされて静かに揺らめくどこまでも深くて透明な青色の水の世界、その静かな川の水底にたたずむ蟹の親子の心温まる会話、あまい香りがこちらにまで漂ってきそうなやまなし。
私の心のプリズムを通して見えるこのような世界を、精一杯音で表現してみました。

音楽で一般に使用される「拍」という概念を意識しつつ、もう一方で自然の中に息づいている「リズム」を自分なりの感覚で構成していきました。

どのタイミングに、どんな音色で、どのように表現するか。
今回の曲づくりの大きなテーマでした。

「やまなし12月」の あらすじ

月の美しい冬の夜の澄んだ川底の世界です。

蟹の兄弟は、あまり月が明るく水がきれいなので、眠らずにしばらく天井を見て泡を吹いています。

お父さん蟹が、子供たちを寝かしつけようとやってきたとき、

「トブン」

黒い円い大きなものが天井から落ちてきて、また上がっていきました。

子供たちは、大慌て。

でもそれは、とてもいい香りのする「やまなし」でした。

ぽかぽか川を流れていく「やまなし」を蟹の親子は踊るようにして、追いかけます。

受賞曲を作成するのに、レコンポーザのココが役立った!

レコンポーザは DOSの時代から使わせていただいています。
「数値入力」 および 「キー操作」という制作方法が、私の創作活動にとても適していて、一番スムーズに進みます。

今回の受賞曲では、システムエクスクルーシブやインサーションエフェクトなど、面倒な設定も数箇所行ないましたが、最初に設定フォーマットを作ってパート保存しておけば、いつでも自由に好きな場所に呼び出すことができ、音色の変化をいろいろ試すのにもとても役立ちました。

この受賞を励みに、これからも大いに活用させていただきたいと思っています。


江頭さんの受賞作品「やまなし12月」は、江頭さんのWebサイト、
およびローランド社のWebサイトでお聞きいただけます。

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