受賞曲「パバーナ・カプリチョ」の制作エピソードや、曲の聴かせどころ
1998年に力作コンテストに初応募しました。タルレガ「アルハンブラの想い出」です。 この作品のMIDIデータは世界中に沢山ありますが、どれも音楽的にはもうひとつで、ギター演奏としては不満なものばかりでしたので、実演奏に迫るMIDIデータを目指したものです。 それが評価されたのか初応募初受賞となりました。 これに気を良くして、翌1999年には、やはりギターの名曲、アルベニス「朱色の塔」で挑戦し、2年連続受賞という嬉しい結果になりました。 その受賞式に審査委員から、「よほどの作品でなければ、3年連続受賞は上げませんよ」、と釘をさされ、周りからは逆に3年連続受賞が当然だろうというプレッシャーを受けました。 そのプレッシャーの中での2000年の応募には、選曲から大いに悩み、いくつかの候補を少し打込んでみました。その中で最もMIDIには難しい曲を敢えて選んだのが、この「パバーナ・カプリチョ」です。 この曲はアルベニスが初めて世に出したデビュー曲で、原曲はもちろんピアノ曲ですが、やはりこれもギターによく似合う曲です。 サロン風の小品という評価もあり、アルベニスの曲の中ではそれほど知られていませんが、彼の若き日のロマンティックで可憐なメロディは魅力があります。 耳なじみのよい心地よい曲ですが、その分、盛り上がりに欠けた優しいばかりの曲になりがちですので、魅力ある演奏として完成するのは大変です。
このMIDI演奏について
ロマンティックでしかも哀しさのある演奏を目指したので、テンポの揺らぎや抑揚、それにギター実演奏をしながら各音のゲートタイムの設定に苦労しました。中でも最難関は中間部のメジャーの部分で、曲想ががらりと無骨に変わり、それがいつのまにかロマンテックな歌に変化していくという過程です。 ここの部分は特に何万回も打込み直しましたが、聴く日によって自分でも評価が分かれる部分です。これはピアノでは簡単な音域の広さが、ギターでの表現の限界でもあり、それに苦悩しつつ演奏するギタリストのけなげさの魅力として解釈できるかなぁ・・ということも出来ると思います。
ロマンティックでしかも哀しさのある演奏を目指したので、テンポの揺らぎや抑揚、それにギター実演奏をしながら各音のゲートタイムの設定に苦労しました。中でも最難関は中間部のメジャーの部分で、曲想ががらりと無骨に変わり、それがいつのまにかロマンテックな歌に変化していくという過程です。
ここの部分は特に何万回も打込み直しましたが、聴く日によって自分でも評価が分かれる部分です。これはピアノでは簡単な音域の広さが、ギターでの表現の限界でもあり、それに苦悩しつつ演奏するギタリストのけなげさの魅力として解釈できるかなぁ・・ということも出来ると思います。
受賞の感想
力作コンテスト史上3年連続受賞した方はどなたもおられませんでしたので、これで受賞すれば、空前の快挙ということになりますので、受賞発表まで緊張しました。 ついにその念願がかない、しばらくは笑いが止まらなくて困りました。 そして、20世紀の最後の3年間に連続で受賞出来たことは一生の想い出にもなると思います。
MIDIに手を染めるようになったきっかけ
若い頃から音楽大好きで、多くの楽器に手を染めてきました。中でもクラシックギターが最も好きな楽器の一つで、一時はかなりの弾き手でもありました。 医師になり、それも救急を主体にする綜合医を目指したために、楽器を触る機会も減ってしまい、練習不足に加齢現象も加わって、昔は楽に弾けたフレーズも徐々に困難になって来ました。 1995年の阪神大震災後に縁あってMIDIなるものに出会いました。そのきっかけはニフティサーブのFMIDIっていうフォーラムに入ったことです。震災時の緊急連絡手段の一つとしてパソコン通信の可能性を探っていったのがきっかけでしたが、いつしか初心を忘れて、MIDIのとりこになり、当初はポピュラー部門にハワイアン演奏を、その後はクラシック部門にギター演奏をMIDIで作成することにはまってしまいました。 長年のブランクと加齢により、指が動かなくなり実演が出来なくなっていた私にとって、MIDI は大変素晴らしい贈り物です。これで老後の楽しみが増えたわけで、死ぬまで退屈することはないでしょう。
受賞曲を作成するのに、レコンポーザのココが役立った!
1996年にMIDIを初めた当初から、レコンポーザ( for Windows95 )を使用しました。 ニフティのMIDIフォーラムでいい演奏をしている方の多くがレコポのユーザだったからです。その後いくつか他のソフトも試したことがありますが、レコポの良さを再認識するだけに過ぎませんでした。こうして今もレコポ一筋にMIDI作成をしています。 クラシックギターのMIDI演奏の難しさは沢山ありますが、とりわけテンポの微妙な揺れとベロシティとゲートタイムの変化です。もちろん音色の微妙な設定も大変重要です。これらすべてがレコポによって難なくこなせます。音色の設定などをテンプレートとしてパートに保存し、それらを使い分けることが出来るのも魅力です。
私のウェブサイトについて
1998年8月にMIDIサイトを開設しました。それもクラシックギター曲だけをコンテンツにするものです。ポピュラー音楽やクラシックでもオーケストラやピアノに比べれば人気の薄いクラシックギターですから、それほどのアクセスを期待していませんでした。 ところが、開設後僅か1年7ヶ月で10万アクセスを通過し、2000年11月中に20万を達成しそうです。力作3年連続受賞とともに、いい歳をして大変喜んでいるところです。 対応音源はすべてローランドSC-88系ですが、音源のない方のためにMP3ファイルもダウンロード出来るようにしています。 これらのMIDI演奏はすべてカモンミュージックのRecomposer for Windows95 R3によって作成したものです。 ELIXIR's MIDI Page for Classical Guitar http://www.guitarsound.net/elixir/
大竹さんの受賞作品「パバーナ カプリチョ」は、大竹さんのWebサイト、 および、ローランド社の力作コンテストのページで、お聞きいただけます。
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